パーマカルチャー

ブログ49回グットライフとパーマカルチャー

僕が、パーマカルチャーを学んできたのは、2016年タスマニアのグットライフパーマカルチャーのデザインコース、ミルクウッドとグットライフ共催のティーチャートレーニングでした。

デザインコース自体は、最初の1週間で一つの場所のデザインを作ること、次の1週間で、グループで別のデザインを書くことと、デザインに注目していました。

今、パーマカルチャーのプログラムを主催することを考えるうえで、いくつもの切り口と制限があるなと思い、その点について書こうかと思います。

パーマカルチャーの切り口としてはまず、フォレストガーデン、デザイン、自然農と3つぐらい大きな切り口があります。

次に日本での制限として、土地にアクセスができる人が限られていることが大きな要因でデザインを学ぶこと自体には価値があり、その過程で自然やデザインの見方がうまくなる、つまりアセスメントの能力が伸びることには、一定の価値があると思います。

一方で、ティーチャートレーニングを学んだミルクウッドとパーマカルチャーの共同創設者のデイビッドとで、生活習慣に着目したパーマカルチャーリビングというプログラムも、最近行われています。仲間の藤野の友人と愛知アーバンパーマカルチャーの二人も同じような切り口でパーマカルチャーのプログラムを作っています。

さて、UNITED主催で行うプログラムの構造としては、原点のハンナさんのGood Lifeということを少しずつ考えなおしている現在地かなと思います。

パーマカルチャーから一歩下がって、デザインを考えるときに、作られたものは、人の何らかのニーズを叶えるために存在していて、パーマカルチャーもその一つです。一方で、パーマカルチャーをしたいという人は、どちらかというと畑をやりたい、または環境にいい暮らしがよさそうだから、なんとなく受講してみたいという感じの感覚を持っています。

「環境によさそうなことは、良いことだから」という思考がいったん思考停止していることは、意外と語られていません。本来は「私にとって大事なこと」が大事であり、それがグットライフに繋がる本当に大切なことです。

一方で、世にあふれる広告を見ていると、「何らかの形で環境や世界に対していいことをしているから、間違っていないよね」という形でSDGsが簡易的に用いられる言説が多いように感じ、その言説が社会化されていることによって、もちろん、私たちの思考と行動様式も変化してゆきます。

近代化のプロセスを経て、私たちはこれまでの生活様式をやめて、生活の必要を自然の中から見出す暮らし方を多くの人はやめている時代です。その中で、自給的な暮らしが大事だというメッセージには、一定の意味があります。

しかし、それは自給自足を一人ですることが、例えば自給的な生活を送っている人々の暮らし方かというと、そこにはコミュニティが必要であり、コモンズの森がありというランドスケープと低い人口密度とセットの暮らしです。そして、それは私たちの暮らす福祉国家とは、違うものであることは、まず理解する必要があります。

私たちの暮らしにとって「大事なこと」は、何かということを、考えなくても物質的な豊かさと、人とのつながりがなくても、個人で生きてゆけることは、自給自足の共同体の社会から切り離されて福祉国家に生きていると、大切なことです。

一方で、誰と共に生きるのか、どういうことを人生でなしたいのか、何を自分は価値だと思い、何が社会と世界にとっての価値だと思って生きるのかという問いが、人から与えられるのではなく、自分自身の頭で考えて、その人生を生きることに、自分は意味があると思うのです。

実際、環境に良いことをするくらし、必要なものを自然界の力を使って得ようとすると、絶対に良いこと、何かを購入するときに、AではなくBを選べばすべて解決するようなことはありません。

人間の存在と暮らしのニーズと自然のニーズが相反する中で、どこで倫理的な線引きをするのか、例えば人間の特に贅のために生かし、殺し、殺生を行ってきた、蚕を神としてその鎮魂を願うような文化が日本で生まれているのは、その自然と人間の関わりの模索を行った人が存在していたことの帰結であると思います。

太陽光システム、コンポスト、畑などの一見自足可能でよいこともある程度の環境への負荷があり、メディアで単純化されるほど絶対に正しいというよりも、矛盾の中で自分自身の責任で選択をするようなことが多くなってきます。

だからこそ、まず、自分にとって何が価値であるのか、自分はどういうことを大切にしたくて、どういう人生を送りたいのかということを、デザインを考えるうえで、人の言葉の考えと自分の考えを切り分けて、まずしっかりと向き合うプロセスがとても大切だと、この6年間いろいろな人の話を聞き、一緒に考えてくる中で感じました。

そういうプロセスを経ると、例えば多様な世界を知る原体験が必要とたびに出ることを選ぶ人や、自分の夢を追う方向ではなく、家族と深く話す対話をする人など、次のステップへの出口はいろいろな形になってゆきます。

また、パーマカルチャーのデザイナーの人も、自給農と作物、家畜の販売をという職に貢献するよりかは、町の人が環境のことを考えるマーケットを作ることや、コンポスト、読書会、鶏などで定期的につながり続ける地域のコミュニティを作ること、という形の表現のデザインをすることもあり、一見パーマカルチャーと検索して画像で出てくる以上の可能性を開いている人もいます。

そのため、主催者の僕としては、土や農のことから少しずつ、参加者が離れてゆくのが寂しいですが、そういうことよりも、本当にパーマカルチャーに興味を持って話を聞きに来てくれた人が、グットライフを送れることが一番いいなと思って、プログラムを作っています。

まだまだ、沼津での通年、ゴールデンウイークの3泊4日のプログラム募集中です。

〇パーマカルチャーワークショップ

【沼津循環ワークス】

〇土と農とパーマカルチャー

【三島まつり農園】